Arrived at Accra -July 12,1999-

  Africa大陸に初めて上陸した日.
  赴任前の3ヶ月間の研修では色々な知識を詰め込んだものの、
  飛行機を降り立った時の空気は学んだ中にはないものだった.

  日本とは違った生温かい風が肌をなで、鼻をかすめる匂いも経験したことのない独特なもの.
  ところが、空港から一歩外に出ると、そこには何の違和感もない光景が.

  想像していた抜けるような青空はなく、見慣れたスモッグに包まれた空.
  高層とはいかないまでもビルが立ち並ぶ風景.
  空港から官公庁街へと続くメインロードは綺麗に舗装され、
  聞かなければ、ここがどこの国かだなんて想像できない.

  そう、ここはAfricaといえど、一国の首都.
  いきなり大草原に野生動物、という"the Africa"という景色ではない.

  第一印象は、見慣れた風景にあまりにも近く、
  自分の思い描いていた光景ではないことに、少々がっかりした、
  というのが正直なところ.


  それでも一本、大通りから目線を反らすと異国の地であることを実感する.
  腰回りの逞しい女性がAfrica特有の柄のワンピースに身を包み、
  頭には、自分の半分もありそうな大きさの荷物を乗せ、
  布でまいた赤ん坊を背負い、悠々と歩道とも車道とも区別ない道をビーチサンダルで歩く.

  車に目を向けると左右のバランスがおかしいもの、
  ドアが閉まりきらないバン、人で満載のハイエース等、
  およそ走る機能しかない中古車がここでは大切な商売道具.
  そして、この日本製の中古車の大渋滞が本来の青空を
  スモッグに包んでしまうという事実を知るのにそう時間は掛からない.