不定期報-Zambia- #10

  今月は先月の予告通り、授業参観について.

  半年、コミュニティースクールで過ごして思ったこと.
   -教員と子供の関係が希薄
   -教員に教員としての自覚、自信が欠ける
   -保護者には学校や教育に対する理解が足りない
   -学校と保護者の関係が皆無に近い
  上げたらキリがありませんが、そんな中でふと思いつたのが授業参観でした.

  人に見られることで、教員としての自覚を持つキッカケになれば.
  保護者が学校で行われていることを実際に見ることで、教育について知って欲しい.
  授業参観日にちょっとした出し物をすることでクラスの結束を作ってほしい.
  自分たちで何かをやり遂げることが出来る、という経験を積んでほしい.

  そんな壮大な思いを込め、まずはスタッフに説明をすることから入りました.
  日本人に限らず、アフリカの人もなかなか新しい事をやろうとしません.
  主旨を分かって貰うのに1ヶ月、準備に1ヶ月かかりました.
  しかも、私は週2日の出勤のみ.
  「どうして私が居ないとやってくれないの?!」
  「本当はやりたくないのでは?!」と何度思ったことか.
  しかし、そこでへこたれていては先に進みません.
  自分を信じ、決めたら突き進むしかないのです.

  授業参観当日は、各学年の出し物を披露し、ちょっとした文化祭のようにしました.
  学校行事で大切なことは、当日にきちんとできることではなく、
  そこに行きつくための過程だと思います.
  喧嘩もしたし、先生と険悪な雰囲気にもなったし、子供たちも何度も諦めようとしました.
  それでも、終わった瞬間、皆の充実感に溢れる顔を見て、全てが救われました.

  まだまだ課題は山積みですが、それぞれに何かを感じる事が出来たのでは、と思います.
  反省会では思いのほか意見も出て、なかなか面白いアイディアも上がりました.
  学校側から「次回はいつにしよう」という言葉を聞き、自分の企画が通った気がしました.
  そんな言葉に勢いづき、授業参観開催の売り込みをもくろみ、報告書を作成.
  教育省、援助団体に配りました.
  報告書一部で、簡単に理解されるとは思わないけれど、
  何よりもスタッフの変化を伝えたかったので、自然と行動に出ている自分がいました.

  こういう瞬間に、ここに来てよかったな、と思います.
  頭でなく、心が動いて仕事が進む.
  私にとってこんなに心地よい事はないです.
  それが失敗であろうと、成功であろうと、気持ちが、心が動く、と言うことが大切で、
  自分には欠けていることだと思うからです.