不定期報-Zambia- #8

  今回のテーマは子供の労働.
  Africaでは子供たちがよく働きます.
  中学校にも上がれば立派な働き手.
  特に女性は水汲み、掃除、洗濯、炊事、と、家事ならなんでもこなせるようになります.
  そのため、学校に来なくなくなってしまう、という悲しい現実もあります.

  田舎の子供は日本のようにゲームやキャラクター遊びといったものは一切しません.
  そのため、日常にある物を使ってお手伝い半分、お遊び半分、
  自然と生きるための術を親や兄姉に教わっていきます.
  小学校低学年にもなればおままごとで本物の火と鍋を使い、
  そこらへんにある虫やら草やらを包丁を用いてやっています.

  男の子は空き缶やペットボトル、落ちている針金を使ってお兄ちゃんに教えてもらいながら
  自動車やトラックを作って遊んでいます.
  擦り切れたタイヤを転がし競争. 手作りボールを使って原っぱでサッカー.
  日本のように既製の物がない分、無いものは自分たちで作り出していきます.

  そんな子供たちを年長者は遠くで見守り、危ないと思ったらやめさせますが、
  多少のやけどや怪我は見て見ぬふりです.
  身をもって体験して覚えろ、ということなんでしょうか.

  幼少時代に遊びながら生活の知恵を付けていく.
  身体の成長と共に、それが実践となり、一端の働き手となる.
  同時に学校に行かなくなり、一家の柱となっていくのもまた事実.

  日本以上に学歴社会の一面もあります.
  都市部に出ても、学業の成績が振るわなければ、職には就けません.
  このままでは格差は広がるばかり.
  私の周っている小学校の生徒の殆どが卒業と同時に働き手となります.
  子供たちの多くは掛け算もままならないまま世の中に出て行くのです.

  そんな事を思っていたら少し切なくなり、残り任期は子供たちの為に
  数学とビジネスを結びつけた授業をしていきたいな、と思いました.
  物売りになる為には計算力が必要です.
  畑仕事をするのに必要な肥料の計算をしたり、
  閑散期に苦労しないために貯蓄をし、上手くやりくりして生活していく必要もあります.
  学校で習ったことが少しでも彼ら、彼女らの生活の助けになればな、と思います.

  残りの期間も引き続き、現実を見据えて仕事をしていけたら、と思います.
  さぼろうと思ったらいくらでもさぼれるこの環境.
  皆さんの税金でここに立つことができている、という感謝の気持ちを常に胸に、
  今日も奔走しています.
  最近の日本の情勢は分かりませんが、日本の子供も生きる力を身につけ、
  自分らしい生活ができ、より良い未来を導けるような世界になること、
  ここZambiaから願います.