近澤 愛沙

  出逢いはバレー好きが集う体育館.
  色々な面子が出入りする場所なだけに、one of themでしかなかった愛沙.
  深く関わるようになったのは、海外出張から試合に掛けつけてきたあの日から.
  ガッツのある人に弱い私は、その日を境に彼女が気になる存在に.

  色々なことを手掛けていて、いつでも忙しい.
  職業としては、ライター、デザイナー、編集、足つぼ師、etc.
  プライベートでは、クラブに通い、空手をやってみたり、書道や料理を試したり.
  それらに週末バレーが加わった.
  瞬間風速は強いけれど、飽きるとあっという間に手を引く面も知っていたから、
  バレーも期限付きだろうな、なんて、予防線を張っていた.

  ところがどうして.
  かれこれ10年以上、バレーが彼女と私を繋いでいてくれる.
  この10年間で築かれた関係は "なんか分からないけれど、お互いに気になる存在".
  闘う土俵は違うのに、「永遠のライバル~」と言いながら、夢物語を熱く語らえる.
  疑心暗鬼満タンなクセに、「このヒトならやるかも」って、ワクワクが止まらない.
  同時に、不思議と心の拠り所みたいな存在でもある.
  「ぶっ飛んでるこの人が居る限り、自分はまだ真面」と、
  其々の平凡さを心の中で確認し、安心できるから.

  出逢った当初は落ち着きがない、という言葉がぴったりなくらいに、
  ウロチョロ、何かを探し、追い続けていた人が、
  今ではどっしりと、地に足を着けて時を刻んでいる.
  人生の軸となる大切なものに巡り合い、覚悟を決めることができたかのように.
  そして、私が悶々と2年半を過ごしている間に着実に駒を進めていた.
    出版 → やっとかよ~、という感じ
    メディア露出 → これまでの経験が繋がっているね、って納得
    足つぼ教室、講演会 → 傍目で見てると、ヒヤヒヤ
    結婚 → 未だに信じがたい嘘のようなホントのハナシ

  ついでに、"世界を足もみで救う" と、私が使っていた合言葉をぱくって、
  彼女の不得手を把握し、フォローしてくれる素晴らしいスタッフに囲まれ、店も構えた.
  世間にはしっかりと "世界一痛い足もみ" というコピーを浸透させて.
  とことん、人に勇気を与えてくれる人.

  近澤愛沙の魅力は、足つぼ師としての腕のみならず、
  人を一瞬にして虜にしてしまう、よく分からない、その話術.
  全くの初対面の人から、気付くと人生相談されているような.
  調子良いこと言いやがって、って思うのに、心地よく感じてしまうような.
  そんな彼女と居ると、現実主義者の私も、病は気から、もあるかもな、と、
  東洋医学の力を信じるようになる.
  それくらい、言霊を発し続け、クライアントに生きる為の活力を配る.

  一見、順風満帆なOhanaではあるけれど、口には出せない辛い思いもある.
  本人すらよく分かっていない状況にも陥る.
  それでも、全ての気力をそこに注げる場所が、相手が、ある.
  あがけば足掻くほど、ドツボにハマるような人だから、
  目が離せないし、いつでも応援団長、が、私のポジション.

  だからこそ、私は敢えて、言わない.
  愛沙、スゲーな、とか、羨ましい、とか、頑張れ、とか.


  思い描いていることを全てやり尽くし、のんびりと時間を過ごせるような時が来たら、
  お互いの人生の昔話を思う存分したい.
  今は、ただただ、前を見て、先に進むことに精一杯だから.
  違うような重なるような、それぞれの路の未来について語らうだけだから.

  あんただけには、私は負けない!
  そう思わせるのが近澤愛沙.