不定期報-Zambia- #3

  体育の時間で嬉しいことがあったのでお裾分け.
  あるクラスの女の子がP.E.(体育)があるから、ということで、着替えを持ってきて、
  恥ずかしそうに短パンで参加してくれました.

  当たり前に感じるこの行動.
  体育という科目がないザンビアで、体育の授業をするのに立ちはだかる壁が着替えです.
  ザンビアではCTSと呼ばれる情操科目で体育を学ぶことになっていますが、
  教員には体育を教えるのが面倒、という思いがあったり、教え方が分からない、
  ということもあり、実質的には体育の授業は殆ど実施されていません.
  その上、寺子屋学校には制服も、体操服もなく、
  体育用の服を持ってきてね、なんて言った日が最後.
  「その金はどこにあるんだ」「Junkoがくれるのか」と言い出す始末.
  加えて、日本のようにその日の時間割に合わせて教科書をランドセルに詰めたり、
  毎日学校に時間通りに通学する、なんて計画的な行動は身についていません.
  学校に行くのに必要なのは、自分の身一つと、あれば、ノート一冊に鉛筆一本.
  これだけあれば十分.
  雨が降れば通学路が洪水になっているので、学校に行けず、お休み.
  農耕の時期には畑に駆り出され、お休み.
  全てがこんな調子なので、体操服に着替える、なんてことは重要ではありません.

  こうした背景もあり、強要するわけにもいかず、
  立てた作戦は、「参加したいと思わせる授業」の実施.
  安全に運動できる服装の生徒のみを参加させていました.
  そんな中、P.E.に着替えて臨んでくれた彼女達.
  私の感動が伝わるかなぁ.
  スカートじゃJunkoのやるP.E.にはついていけない、とか、
  思いっきり体を動かしたい!!って思ってくれたのかなぁ、
  なんて、勝手に勘違いして、心の中ではガッツポーズ、顔はニヤニヤしてしまいました.

  別に体育の大切さなんて分らなくてもいい.
  今は出来ないことがたくさんあってもいい.
  でも、人を信じること、人と協力すること、チャレンジ精神、を体育を通じて学んでくれたらなぁ.
  10か月という短い貴重な時間にどれだけ子供たちの心に響く事が出来るかは分らないけれど、
  そろそろ沢山ある自分の中の目標を定める時期になりました.