満身創痍 - 2016


  いつもなら、当たり前のように主導できているはずの試合.
  練習でイマイチでも、ゲームでは何とかなる、と思っていたのに...

  事実、パフォーマンスは良かった.
  それなのに、何の兆候もなく初戦の一セット目で敢え無く脱落.
  限界を感じるほど動いていた気はしないのに悲鳴をあげたこの身体.
  理由が分からないだけに悔しさは半端ない.

  確かにここ最近はストレス満タン.
  食欲がなくなる夏.
  前日の練習中にも足がつって、軽い熱中症.
  でも、空調設備の完備された体育館なら大丈夫、と、全く心配せずに臨んだ試合.
  これが老い、負い、おい、なのか...

  見ることしかできないチームは久々の入賞.
  目の前で繰り広げられたのは、バレーの不思議.
  予選では、大エースとセンターの要をもってしても勝てなかった.
  三位決定戦では、同じチームと戦って、二つの要が不在なのに余裕で勝利.
  技術が劣っていても、心があれば、一球入魂ができれば、拾えれば、勝てる.

  「初老だから動けない」って口癖のように言うAも、
  最近、殆どボールに触ってない、前日の最終新幹線で東京から駆け付けたAも、
  本当に良い働きをしていた.
  「えっ、私が振り回されていたあのキャッチは何なの」っていうくらいに、
  丁寧で、正確で、何よりも次の人を思う心が通うボールが繋がった.
  こんな試合ができたら楽しいだろうな.
  「私もそこに入りたいよ」と、心の中で叫びながらも、
  そうできないのは自分の心掛けが足りないから、と、反省もする.

  ただ、一生懸命やるだけでは、疲労困憊になるだけだけれど、
  心と頭を使った後は、心地よい疲れと、やり切ったスッキリ感と充実感が残る.

  最近、時間を見つけては来てくれる新メンバー二人も、
  きっとバレーの真の楽しさを感じられたのではないかな.
  上手い、とか、下手、とか、どうでもいい.
  One for all, all for one.
  そんな、団体競技の世界では言い尽くされたフレーズが蘇った時間だった.

  次こそは、その輪の中に入っていたい.
  やっぱり、まだまだ生涯現役、は諦めたくないから.